インテリア(デザイン)と収納(機能性)の両立を目指すお家づくり

                                                                                  インテリアコーディネーターと整理収納アドバイザーの目線で、最適解なモノ選びやコーデのコツ、家作りの考え方などを発信しています。

当たり前を疑おうシリーズ:勝手口

こんにちは、インテリアコーディネーターのkimicoです!
 
先日ご紹介した「当たり前を疑おう!」

家づくりにおいては、「一般的に採用している家が多いからといって、別に採用しなくてもいいんだよ!」というものが他にもいろいろあります。
ということで、シリーズ化してこれからweb内覧会の合間に少しずつご紹介していきたいと思いますので、これから家づくりをされる方はぜひお目通しください♪
 

当たり前を疑おうシリーズ:勝手口

今回取り上げるのは、「勝手口」。
キッチンに設置されているお宅が多いですが、我が家には勝手口がありません。
キッチンが外部と接する壁に面した配置ではないので作れないというのもありますが、それ以前に設計当初の要望として「勝手口はいらない」と伝えていました。
家を訪れた友人には「あれ、勝手口ないの?なんで?」と尋ねられたこともあります。
ちょうど家を計画中だったその友人は、あるはずのものがないことに単純に疑問に思ったそうです。
勝手口はないと困る?そもそもなぜ必要?ほんとに必要?
 
そんなあって当たり前と思っているかもしれない「勝手口」について、お話したいと思います。
 

勝手口とは?

まず、勝手口とは
玄関とは別に設けられた台所の出入口。
表玄関の清潔さや厳しさを保持しようとすればするほど勝手口の使用頻度は高くなる。
ここからごみが搬出され、洗濯物が出し入れされる。
御用聞きのほか、近隣の人たちの通用口として、あるいは子供たちの出入口としても利用される。
日本大百科全書より引用)

 

昭和の生活様式が反映された内容なので、現代の勝手口としての使い道としては、主にごみの搬出口、洗濯物の出し入れ口といったところでしょうか。
また「勝手」というのはキッチンのことを指しますが、現代ではキッチンだけでなく、洗面脱衣室など他の場所に設けられる場合も多いですね。
 

勝手口の使い道

では、そんな勝手口の使い道について簡単にまとめてみます。
 

・ゴミの搬出口

玄関より勝手口からの方がゴミ出し動線が短い場合は、あると便利ですね。
また生ゴミを外に置きたい場合は、勝手口付近に生ごみ処理機を設置して日々の生ごみを捨てる家もあるでしょう。
 

・洗濯干しの通路

勝手口は建物の裏側に設けられることが多いので、結果的に洗濯物干し場への出入り口として便利な位置にあることが少なくないでしょう。
というか、洗濯物を外に干す場合は、勝手口の有無、勝手口の位置もあわせて場所を検討するのが一般的です。
 

・外部からの侵入経路

買ってきた食材の搬入は、それらを置くキッチンに近い勝手口から行った方が効率がよい場合もありますね。
自動車を使用する場合、駐車場からの距離が玄関よりも近い場所にあればなおさら便利です。
 

勝手口のメリット/デメリット

そんな勝手口を深堀して、メリット/デメリットについて考えてみます。
 

メリット:

・生活動線が増える

外への出入りができる場所が玄関以外にもあると、玄関が何かしらの事情で埋まってしまっている場合も、外への出入りが確保できます。
特に家族が多いご家庭などでは、利便性を感じる機会が多いかと思います。
 

・非常口として使える

上記とやや重複しますが、災害時などに万が一玄関が開かなくなってしまった場合に、もうひとつ出入り口があると安心ですね。
 

・光や風を取り入れやすい

選ぶ商品によりますが、勝手口の扉は全体または一部にガラスや網戸が入っている仕様が多いので、採光や通風を得られやすくなります。
 

・ゴミ出しがしやすい

間取りにもよりますが、勝手口の方がゴミ収集場所に近ければより動線が短くなりますし、生ゴミを家の中に置いておきたくない方はキッチン近くに捨てる場所を確保しやすくなります。
 
 

デメリット:

・防犯上の問題

玄関に比べて通りから見えづらい場所に設置されることが多いため、侵入犯に狙われやすい場所となります。
実際に玄関より勝手口の方が被害に合いやすいといわれています。
厳重なカギや人感センサー付きの照明など、防犯対策は必要になりますね。
 

・外構費用がかかる

勝手口から外へ出るためには地面との高低差があるので、その分階段や土間を作る必要があります。
さらに勝手口を開けた際に雨に濡れないよう庇を作ったり、勝手口付近に照明をつけたり、となにかと費用はかかります。
 

・勝手口を設ける分、収納スペースがなくなる

壁面の一部が扉に使われてしまうので、間取りによっては収納スペースが狭くなってしまう、なくなってしまう場合があります。
 

・キッチンが寒くなりやすい

扉や窓などの開口部があるとどうしても気密性、断熱性が下がるので、勝手口を設けた空間は特に冬場の寒気の影響を受けやすくなります。
勝手口となると開口サイズも大きくなるので、その近くに立って家事をするのは他の場所よりも寒さを感じやすいでしょう。
 
 

我が家が勝手口を採用しなかった理由

さて、勝手口の役割やメリット/デメリットをご紹介しましたが、それらをふまえて我が家が採用に至らなかった理由をお話したいと思います。
まず前提として、前述のとおり、間取り上の問題でキッチンに勝手口は設けられませんでした。
洗面脱衣室でしたら設置は可能でしたが、必要性を感じなかったので採用しませんでした。
 

①外部への動線は別のルートで確保できていた

我が家は外部との出入り口が3つあります。
1.玄関 2.リビングの掃き出し窓 3.洗濯室の掃き出し窓 です。
それぞれが適度に離れているので、用途に応じて出入り場所を使い分けることができます。
特に洗濯室に設けた掃出窓は、水回り(キッチン、洗面所、脱衣室)に近く、また近くに水道も設置しているので、汚れものなどはここで軽く洗って家に入れることができます。
キッチン内に設置する勝手口に比べれば使い勝手は多少劣りますが、ストレスに感じるほどの頻度もないので気になっていません。
 

生ゴミを外に置きたくなかった

私の実家はキッチンに勝手口があり、そこから外に出てすぐ脇に生ゴミ処理機が設置されていました。
生ゴミ処理機の種類にもよるかと思いますが、実家で使用していたタイプは生ゴミ特有の臭いがやや漏れていたので、勝手口付近を通るのがとても不快でした。
外に生ゴミ処理機を設置するには雨風をしのげる環境も必要ですし、種類によっては電源、定期的なメンテナンスも必要です。
なにより臭いが漏れることで周辺に虫がわくのが、私にとっては耐え難いストレスだったので、当初から生ゴミを外に置くという考えはありませんでした。
最近の生ゴミ処理機は、一昔前のものに比べると臭い漏れの少ないものや手入れが楽なものも増えてきているようですけどね。
 
では我が家の生ゴミ処理はどうしているかというと。
 
なんと
 
冷蔵庫の冷凍室に入れてしまっています!
 
 
衝撃を受けた方もいらっしゃるかもしれませんね笑
私も最初にこのアイディアを知ったときは「ぇえーーっっあの生ゴミを!?」と拒否感がありました。。
でもよくよく考えると、生ゴミをその日のうちに冷凍する→腐らない→まったく臭わない いいじゃん、そのアイディア! と。
我が家の冷蔵庫は大容量の冷凍室とは別に小さい引き出しタイプの冷凍スペースがあったので、そこを生ゴミ専用スペースにして収納することにしました。
小さいビニール袋に集めた1日分の生ゴミを、そのまま袋の口をしばって冷凍スペースへポン。
簡単だし、本当に何も臭いません♪
我が家のある地域は週に2回可燃ゴミの収集があり、それまでの3~4日分の生ゴミは余裕で収まります。
キッチン内に置けるコンパクトな生ゴミ処理機なども販売されていますが、そういった物を増やさずに今あるもので対応できるのであれば、そのぶんキッチンもスッキリするしでとても快適です♪
 
ちなみに、この斬新なアイディアをご紹介くださったのは、こちらの方↓
書籍を出されていたり、各方面のメディアにも出られているのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
「少ないもので快適に暮らすコツ」をいろいろと紹介されているので、興味がある方はぜひブログへ足を運んでみてください。

ayajima.com
 

③防犯上狙われやすい勝手口をあえて作りたくなかった

先述の通り、勝手口は侵入犯に狙われやすいというデメリットがあります。
外部への動線が他で確保できている以上、設置することで劇的に生活動線がよくなるわけでもない我が家にとっては、わざわざ作って侵入リスクを高めたくない!と、特に夫の強い希望がありました。
 
 
 
ということで、採用に至ることはありませんでした。
これは「我が家の場合」の不採用理由なので、一様に「勝手口なんていらないよ~」といいたいわけではありません。
あると便利なことはあるでしょう。
けれど、それが不満や不具合を打ち消せるほどのものなのか、本当に必要なのか。
ということをしっかりと検討したうえで、採用/不採用を決めていただくと、またひとつマイホームの満足度が高まるのではと思います♪
 
 
以上、ご参考になったらうれしいです。
ではまた!
 
 

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