インテリア(デザイン)と収納(機能性)の両立を目指すお家づくり

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吹き抜けの真実・・・あなたの吹き抜けプランは大丈夫?

こんにちは、インテリアコーディネーターのkimicoです!
我が家のリビングが吹き抜けになっていることをWeb内覧会でご紹介しましたが、

ickimico.com

この吹き抜け。
友人知人から「あこがれるけど、・・・実際どう?快適?」と聞かれたり、「なんとなく吹き抜けっていいなって思って採用した」というお客様がいらっしゃったりします。
我が家も「吹き抜けって気持ちよさそうでいいな~」という憧れが元で採用しましたが、もちろんメリット/デメリットをきちんと考えたうえで決めています。

吹き抜けに限ったことではないですが、デメリットを把握せずになんとなくの気持ちで採用してしまうと、せっかくのマイホームがストレスを生む場所になりかねません。
吹き抜けが気になっている方はぜひ!メリットデメリット、それが自身の家族にとってどうなのか?を考えて決めていただきたい!
と思い、今回は吹き抜けにフォーカスしてお話したいと思います。

吹き抜けは間取りや構造上の制約が生まれることが多いため、採用を少しでも迷っている場合はなるべく初期段階で検討・決定することをオススメします。


吹き抜けとは?

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吹き抜けとは、上階(下階)の天井や床を設けず、各階が連続するような空間をいいます。
わが家のようにリビングの上がそのまま吹き抜けになっている場合もあれば、空間の一部分のみ吹き抜けになっている場合もあります。
暗くなりそうな空間に小さな吹き抜け&天窓を設けるというプランもありますね。
構造(木造軸組み工法/鉄骨造/ツーバイフォー など)によって可能な形状や広さは異なるので、そのあたりは住宅会社さんにご確認ください。

吹き抜けのメリット/デメリット

では、一般的にいわれているメリット、デメリットとそれに対する個人的な意見を述べていきます。

メリット:

・実際の床面積より広く感じられ、開放感がある

目線が上に抜けるので、視覚的に広いと感じやすくなります。
我が家のソファーにごろんと寝転がって上を見ると、屋外で寝そべっているのに少し似ているような贅沢な気持ちになります。
ただし、これは吹き抜けにしている面積にもよるかな?
小さな吹き抜けの場合は開放感にあまり期待はもてないかもしれません。。
 

・上階とのコミュニケーションが取りやすい

吹き抜けにより上階と下階とつながっていると音や声が届きやすいので、上下階で声を掛け合ったり、なんとなく気配を感じたりすることができます。
我が家はリビング・キッチン間に壁がありますが、完全に隔たっているわけではないので、キッチンから少し大きめの声をかければ2階に伝わる、というのはとても楽だなぁと日々感じています。
 

・明るく、風通しがよい

吹き抜けで上部までつながった空間では、高いところに窓を設けることでより多くの光を採り入れることができますし、空間内に高さの異なる窓を設けることで風の流れが起こりやすくなります。
我が家は1階南面の大きな掃き出し窓と吹き抜けに隣接したスペースの2階北面に窓があるので、両面から光と風が入るようになっています。
南北に高低差をつけた窓を通る風はとても心地よく快適です♪
 

・デザイン性のある空間になる

これは仕様などいろいろな要素によるところもあるかと思いますが・・・
我が家はリビング階段を採用しており、階段&吹き抜け上部にこだわって細部まで考えた手摺があります。
これが空間にデザイン性を持たせてくれているかなと思っています。
 

デメリット:

・冷暖房の効率が悪い

暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまりやすいため、冷暖房の効率が悪く光熱費が高くなりがちと言われています。
以前住んでいた物件より床面積が大きくなっているので、単純比較は難しいですが、実際我が家も光熱費は以前より高くなっていますね。
というのも、我が家は床暖房を採用しているため、どうしても冬場の光熱費はやや高くなってしまいます。
が、電気代の安い夜間のみの運転で終日暖かさをキープしてくれますし、なにより輻射熱による健康的な暖かさはとても快適で・・・それを考えると多少電気代が上がっていても許容範囲だよね、というのが夫と私の共通認識です。
電気代がかかる分エコではないかもしれませんが・・・

また、あわせて我が家は吹き抜けにシーリングファンを取り付けています。
上部でクルクルと回っている裸の扇風機のような、コレです。

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ファンを回すことで吹き抜けの空気を循環してくれるので、一か所に空気や熱がたまりにくくなります。
”リビングだけの冷暖房効率”と考えるとたしかに効率は悪いですが、その分家全体の気温が一定になりやすいので、特に冬などは家のどこにいても寒さを感じることがなく快適です。
今後歳を重ねてから気を付けたいヒートショック問題も、我が家では心配ありません。
ですから、冷暖房の効率については我が家ではデメリットとは捉えていません♪
 

・音やにおいが上階にも伝わりやすい

音に関しては、一番のネックはテレビの音でしょうか。
我が家はまだ子供が小さく自室にこもることがないので、「受験勉強に集中したいのにうるさい~!」となるかどうかは分かりません。
ただ夫婦、子供にそれぞれ個室があり、ドアを閉めていると他の空間の音が気になることは今のところないのでそれほど問題はないかなと思っています。
吹き抜け上部に隣接して寝るスペース、子供の勉強スペースなどを設けている場合は注意が必要ですね。

においに関しては、我が家の場合はキッチンとリビングで壁があるので、それほど気になったことはありません。
ホットプレートで焼肉をやった日などは多少臭う・・・かな?という時もありますが、デメリットとして感じるほどの経験は今のところないです。
ただし、LDKがつながっている間取りでかつ上部が吹き抜け、という場合は注意が必要でしょう。
例えば吹き抜け上部に隣接したスペースで洗濯物を干したりすると、料理の臭いが洗濯物についてしまう場合があります。
布ものは臭いを吸着するので、ね。。
そうでなくても2階に臭いが移動してしまうのを不快に感じる方もいらっしゃるかと思います。
どうしても臭いが心配な場合は、LDKをL字型の間取りにして吹き抜け部分からKの部分を少しでも隔てるなど、間取り上でできる配慮も多少あります。
住宅会社さんにぜひ相談してみてください。
 

・上階の床面積が狭くなる

建坪が限られていて家族も多いという場合は、このデメリットはなかなかに痛い点ですよね。
吹き抜けの面積にもよりますが、吹き抜けを採用しなければ1~2部屋つくることができる場合もあります。
どれほどの広さの個室が何部屋ほしいのか、その優先度より吹き抜けにする優先度が確実に高い場合でなければ吹き抜けはオススメしません。
我が家の場合、吹き抜けをやめれば主人の書斎はもう少し広いスペースになったし、個室をもう1部屋設けることもできました。
が、必要最低限の個室は確保できていたし、「一応もう1部屋作っておこうか、どうしようか」程度の個室だったので、使うかはっきり分からない個室は作るのをやめました。
主人の書斎もこの広さ(3畳)あれば別にいいよ、それより吹き抜けにしたいとの思い(覚悟?)がはっきりしていたので、吹き抜けを採用しました。
 

・耐震性が下がる可能性がある

吹き抜けの形状にもよりますが、吹き抜けの面積が大きくなればなるほど、耐震性は下がりやすくなります。
これはどのような構造かにも大きく関係するので、具体的な情報については住宅会社さんにご確認ください。

我が家はというと。
木造軸組工法なので、吹き抜けにできる空間の広さにも限度がありますが、幸い希望の広さは建築可能でした。
ただ、やはり耐震性は下がるとのことで、設計担当の方からの提案で鋼製ブレースを採用することに。
写真に写っているクロスされた線状の材がそれです。
手摺とあわせてホワイトに塗装してもらったおかげで空間にも溶け込み、訪れた人たちにもあえて付けた装飾かと思われるほどです。笑
その分建築費は少しだけ上がりましたが、希望の吹き抜け広さを確保したうえで耐震性能も保つことができました。
吹き抜けの広さや形状を変えれば耐震性を維持できるのか、我が家のように+αで解決できるのか、一度ご相談されるとよいかと思います。
 

・掃除やメンテナンスが大変

これは主に、高所に設けたサッシや照明、シーリングファンについてのお話です。
高さのある脚立を用意しないと届かない高さでは、そもそも素人が作業するのは危険ですし、業者さんにお願いするとしても、メンテナンス費用が定期的にかかってしまう・・・といったところがデメリットとしてよく言われている点です。

これらを解消するために、我が家は以下のような対策をしました。

窓:吹き抜け上部にはサッシを設けない
照明:照明は天井に付けず、壁付けにする
シーリングファン:自分たちで掃除ができる高さ、位置に取り付ける

以上で掃除やメンテナンス上でのデメリットは解消することができました♪
それぞれの対策内容を掘り下げると長くなってしまうので、今回は箇条書きのみになってしまいましたが、また後日改めてまとめさせていただきますね。
 
 

以上、吹き抜けについて
仕事柄以前から気になっていた点と、実際に住んでみて分かった点をまとめてみました。
一般的にいわれているメリットデメリットも、どう感じるかは人によって異なりますし、事前に対策することで防げることもあります。
吹き抜けを考えている方のご参考になったらうれしいです。

ではまた!
 
 

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